胃がんABC検診とは、2種類の血液検査を組み合わせ胃がんになりやすいかどうかを調べる検査です。
被験者が胃がんになりやすい状態かどうかをA~Dの4群にします。
バリウムを飲まずに血液検査のみで胃がんのリスクを効果的に検査できる方法です。
■ペプシノゲン検査
「ペプシノゲン」という物質の血中濃度を測定することで胃粘膜の健康状態(萎縮)を客観的に調べる検査です。
「ペプシノゲン」とは、胃の細胞から分泌される消化酵素・ペプシンのもととなるものです。ペプシノゲンは一部が血中に流れ出しますので、血中濃度を測定することにより胃粘膜でのペプシノゲン生産度が分かり、血清ペプシノゲン量が少ないと胃粘膜が萎縮(老化)しているということになります。ペプシノゲンには2つのタイプがありますが、ペプシノゲンIは主に胃底腺から分泌されるのに対し、ペプシノゲンIIは胃底腺のほか噴門腺や幽門腺、十二指腸腺からも分泌されます。胃粘膜の萎縮が進行すると、胃底腺領域は萎縮し幽門腺領域が拡張するため、ペプシノゲンIに対してIIの量が相対的に増加してペプシノゲンI/II比が低下します。したがって両者の比を見ることによって胃底腺領域の胃粘膜の萎縮の程度を予測することが出来ます。
■ヘリコバクター・ピロリ(H.ピロリ)抗体検査
胃がヘリコバクター・ピロリ菌に感染していないか調べる検査です。
胃粘膜に生息する細菌で、慢性的な胃粘膜の炎症を引き起こし、胃・十二指腸潰瘍、萎縮性胃炎の原因菌と考えられています。さらにピロリ菌に感染していなければ胃がんの発症は殆どないという統計上のデーターも存在し、WHOはピロリ菌が胃がんの確実な発癌物質と認定しています。
■検査内容
簡単な採血による血液検査です。診察の必要はありません。
食事の影響は受けませんので、随時測定が可能です。
■検診の対象にならない方
下のいずれかに該当する方は正しい結果が得られない場合がありますので、この検診は不適です。
・食道・胃・十二指腸の病気の症状のある方、または治療中の方
・胃の手術を受けたことのある方
・腎不全の方(目安として、クレアチニン3mg/dl以上)
・胃酸分泌抑制剤服用中または2カ月以内に服用していた方
(タケプロン・パリエット・オメプラール・ネキシウム・タケキャップなど)
・ピロリ菌除菌治療を受けた方
■検診の申し込み
予約は不要です。受付で「ABC検診」又は「胃がんリスク検診」を希望する旨を申し出てください。
■検診費用
1回の検診費用は3,300円(税込)全額自己負担になります。
■結果について
郵送希望の方 : 2週間以内に判定を郵送致します。
来院受け取り希望の方 : 2週間後以降に受付にて結果表をお渡し致します。
※領収書をお渡ししますので忘れずにお持ちください。